型抜き印刷では、四角形以外にもハート型や丸形など特殊な形に仕上げることができます。
特殊な形に加工する場合、フチありの型抜きとフチなしの型抜きの2パターンの作成方法があります。
些細な違いかもしれませんが、仕上りの印象を大きく変える要素でもあるため、理想のカタチに近づけられる方法を考えていきましょう!
今回はかたぬき印刷アトリエのオリジナルクリスマスメッセージカードを例に、製品をよりきれいに仕上げるポイントを解説いたします!
オリジナルクリスマスメッセージカードの製作過程と型抜き印刷の流れについてはこちら!
フチありの型抜き/フチなしの型抜きとは
Aはフチありの型抜き、Bはフチなしの型抜きです。
同じイラストでも印刷デザインの周りに余白を付けるか、輪郭に沿って型抜きをするかによって印象も変わるかと思います。
フチをつける理由
なぜフチを付けるのでしょうか。それは加工面とデザイン面での理由が挙げられます。
〈加工面:微小なズレに対処するため〉
型抜き加工の際に微小のズレが発生し、デザインの端が欠けたり、余白が残ったりすることを防ぎます。
きれいに仕上げるポイント
2㎜以上のフチを付けるようにカットラインを作成するとズレが目立ちにくくなります!
カットラインの作成方法はこちら
〈加工面:トムソンの抜き型作成のため〉
当社の型抜き加工はトムソンとプロッタで行っています。型抜きのデザインが複雑な場合は、より細かな型抜きができるプロッタで加工をしていますが、ロット数によってはコストが掛かりすぎてしまうこともあります。特に大ロットで細かな型抜きを希望される場合には、トムソンの抜き型が作成できるよう、フチをつけることをおすすめしています。
型抜き加工についてはこちらのコラムも併せてご覧ください!
きれいに仕上げるポイント
細かな型抜きは型抜きアドバイザーへご相談ください!
ご相談はこちら
〈デザイン面:視認性向上のため〉
フチの余白があることでイラストや文字にまとまりを出し、視認性を上げるためにフチを付けることもあります。また、フチがあることで可愛らしく優しい印象になります。
フチありとフチなしを比較してみる
フチありの型抜きとフチなしの型抜きを詳しく比較してみましょう!
・仕上りサイズが決まっている場合、フチありの型抜きでは印刷デザインが一回り小さくなります。
・フチなしの型抜きはカタチが際立つため、よりオリジナリティを出すことができます。
・フチなしで型抜きをする際に細かなデザインがあると、破れやすくなったり折れやすくなったりと、強度への影響があります。
また、鋭角な型抜きは破れやすくなってしまうため、角にアールを付けて耐久性を上げることをお勧めしています。
フチなしの型抜きに必須な塗り足しのポイント
フチなしの場合には、印刷デザインの作成時に塗り足し部分を付ける必要があります。
また、印刷しただけでは形状が分かりにくいため、カットラインデータとの照らし合わせが重要になります。
カットラインの作成についてはこちらのコラムも併せてご覧ください!
塗り足し作成の注意点
通常塗り足しは2㎜以上あるとズレても余白が見えることはありませんが、異なる色が隣合う場合には注意が必要です。
塗り足しの作成時にはカットラインを確認しながら、上下左右のズレを想定して隣の色が見えてしまったり、絵柄が切れたりしないようにしましょう。
紙色を活かしたデザインの型抜き
白い用紙に印刷した白い雪だるまのように、紙色と同色のデザインを印刷する場合、フチありで型抜きをする際には枠線を付ける必要があります。
今回は帽子とマフラー部分に3㎜の塗り足しを付けて製作いたしました。
通常2㎜以上の塗り足しがあると、型抜きがズレてしまっても余白が出ることはありません。
まとめ
フチあり
・2㎜以上のフチを付けることでズレが目立ちにくくなります!
・フチを付けることでトムソンの抜き型作成が容易になります!
・視認性向上のためにフチの余白がイラストや文字にまとまりを出すことができます!
・可愛らしく優しい印象を与えることができます!
フチなし
・2㎜以上の塗り足しを付けることでズレが目立ちにくくなります!
・オリジナルの形状が強調されるため、デザインの特徴をより際立たせることができます!
・カットラインと印刷データの照らし合わせが重要になります!
フチありもフチなしもそれぞれの良さがありますね!
「フチあり/フチなしでしか作れないか…」とお悩みの方も諦めないでください。
型抜き実績累計1,500万部以上のかたぬき印刷アトリエの型抜きアドバイザーが、お客様の理想のカタチに近づけるお手伝いをいたします!